なきむしせいとく と じごくのそうべえ 田島征彦の仕事

2024/09/14 ~ 2024/11/24

大津絵などの深い伝統を持つ上方の大衆文化に根ざした、躍動感あふれる型染めの技法で版画や絵本を生み出してきた、田島征彦さんの『なきむしせいとく と じごくのそうべえ 田島征彦の仕事』展を開催します。

田島征彦さんは、1940年(昭和15年)大阪府堺市生まれ。同じく絵本作家の田島征三さんとは一卵性双生児で、終戦後は父の故郷・高知県の山村で幼少期を過ごしました。その荒々しくも豊かな四国の自然の中での生活は、「生涯、一番大切で楽しい思い出」と言い、田島さんの作品に大きな影響を与えています。

1959年、田島さんは京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)工芸科 染織図案専攻に入学しましたが、染織を嫌い、劇団美大アトリエ座舞台美術集団で舞台装置・影絵などに熱中しました。そんな中、主任教授の稲垣稔次郎さん(型染めの人間国宝)の絵本の授業で、絵本の世界に出会います。「こんな楽しい仕事があるのか」と驚き、自分の思いを本にしてだれかに伝えることができるという世界を教えられます。

その後、日本の民衆画のもつ土俗的なエネルギーを独特の絵本空間に展開し、1976年、型染めで描いた「祗園祭」で、第6回ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)・金牌を受賞。1978年には、「じごくのそうべえ」で第1回絵本にっぽん賞、2015年の「ふしぎなともだち」では第20回目日本絵本賞大賞を受賞するなど、絵本を刊行し続けています。

田島さんは、40年以上沖縄の取材を重ね、これまでに「沖縄の絵本」を描いてきました。西表島や石垣島に通い、8年かけて作られた「とんとんみーときじむなー」(1987年・童心社)、「てっぽうをもったキジムナー」(1996年・童心社)は、「沖縄の今ある姿を子どもたちに伝えるためには、基地の問題と沖縄戦の問題を描かなくてはいけない」という想いで、制作されました。

本展では、その長年の取材の集大成として、「ぼくが5歳の時、大阪ではなく沖縄にいたら」という想定で、真っ正面から「沖縄戦」を描いた「なきむしせいとく 沖縄戦にまきこまれた少年の物語」と、「軽業師のそうべえ」「山伏のふっかい」「歯ぬき師のしかい」「医者のちくあん」のいい歳をして大きな失敗ばかりしている大人たちが繰り広げる大騒動を、軽快な関西弁のリズムで繰り広げる「そうべえ」シリーズの7作目、「花見じゃそうべえ」の絵本原画を展示するほか、「祗園祭」の型染の布作品を展示します。

また、9月15日(日)は、田島征彦さんを木城えほんの郷にお迎えし、「絵本で何ができるか」と題して講演していただきます。どうぞお楽しみに!

★チラシのダウンロードが可能です
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◆関連リンク
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イベント概要

◆開催日程 2024年9月14日(土)~11月24日(日)
◆休館日  毎週月曜(ただし祝祭日のときは翌日休館)
◆開館時間 10:30~17:00(最終入館 16:30)
◆開催場所 木城えほんの郷

◆入場料
・大人…500円
・子ども…300円(小中高生)

>関連イベント「田島征彦 講演会」

絵本画家・染色家の田島征彦さんを、木城えほんの郷にお迎えし講演会を開催いたします。

「絵本で何ができるか」をテーマに、「花見じゃそうべえ」の制作を追ったドキュメンタリー映像をまじえながら、お話していただきます。どうぞお楽しみに♪

◆開催日時 2024年9月15日(日)13:00~15:00
◆開催場所 木城えほんの郷 森の受付棟 地下研修室
◆参加費用 500円(入場料別)
◆事前申込 必要

◆講演会
・演題…「絵本で何ができるか」
・講師…田島 征彦 氏(絵本画家・染色家)

◆申込方法 お電話にてお申し込みください

◆申込・問い合わせ先
・木城えほんの郷
・TEL:0983-39-1141

日程 2024年9月14日(土)~11月24日(日)
開催場所 木城えほんの郷
地図
お問い合わせ 木城えほんの郷
電話番号:0983-39-1141